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2014年2月15日 (土)

京セラの「ドコモ向けスマホ」販売記事に関して思うこと

 何かで偶然目にしたのですが、エスマックスに正しくない記事が掲載されていました。
 正確には、事実誤認というか、認識不足というか、そんな感じですが。

# 後日、ダイワボウ情報システムがSIMロックフリーで販売するという記事が各所で出ていますので、その部分に関してではありません。念のため。


 こちらの記事を見ますと、本文は「NTTドコモから初めて京セラの製品が販売されることがわかったと朝日新聞が報じています。」との記載から始まっています。

 ところが、です。
 その下に朝日新聞DIGITALのスクリーンショットには、「京セラ製のスマートフォンが、初めてNTTドコモから販売されることが20日、分かった。」とあります。

Photo_2

 そうです。「京セラの製品」と「京セラ製スマートフォン」では全く意味合いが違ってしまうのです。(この件に関しては)朝日新聞はそこをきちんと報道しているのに、エスマックスの記事では意味が変わってしまっています。

 このブログをお読みいただいている方のうち、一部の方(多くの方?)はご存じだと思いますが、過去に京セラはKY541、KY101、データスコープといった携帯電話機をNTTドコモ向けに供給してきました。ですから、「京セラの製品」であれば初めてではないのです。 

 これだけであればたまたま言葉を間違えてしまっただけかとも解釈できるのですが、記事本文中の「京セラは(中略)こういったライバル関係もだいぶ解消されてきた感もあります。」という記述を見る限り、過去に供給していた実績というものを忘れ去っているように見えてしまいます。以前に京セラ製品をNTTドコモに供給していた頃も、DDI-セルラーグループは京セラが筆頭株主であるDDI(当時)の子会社(京セラ→DDI→DDI-セルラー電話各社)であり、NTTドコモのライバルであったことには違いがありませんし。
 あくまでも「メディア」を名乗るのであれば、より正確な記述をお願いしたいところです。

# 重箱の隅をつつきたいわけではないので、数カ所ある誤字脱字については触れません。






 閑話休題。
 以下は、京セラがKDDI以外の国内キャリアに製品を供給する/しないということについての私見です。

 京セラはあくまでもライバル関係うんぬんではなく、ビジネスの観点で見ていると考えています。京セラとしてはどうするのが利益になるのか、です。

 過去、KY541やKY101といった端末をNTTドコモ向けに供給していた頃は、DDI-セルラーグループやIDOのサービス開始時期やエリア展開速度の問題もあって数が売れないため、ある程度台数の見込めるNTTドコモ向けに供給していたと思われます。
 また、データスコープはDDIポケット(現ウィルコム)向けPHSの携帯電話版ですが、当時DDI-セルラーまたはIDO(もしくはその双方)が販売を拒否したか、契約条件が折り合うのがNTTドコモだけだったのでNTTドコモ向けに供給したのでしょう。法人やモバイルデータ通信に強かったのはNTTドコモですし。
 余談になりますが、DDI/KDDと合併したIDOの母体企業で、合併後のKDDIでは大株主である(かつ、J-PHONEにも出資していた)企業にトヨタ自動車があります。そのトヨタ自動車系の部品メーカーであるデンソーも、NTTドコモ向けに端末を供給したことがありますし、J-PHONE各社やデジタルツーカー各社向けにも供給していました。

 京セラが最近KDDIおよびウィルコム以外の国内キャリア向けに端末供給を開始した(or 開始すると言われている)のは、ライバル関係うんぬんではなく、ビジネスの構造転換による部分が大きいと考えています。
 過去の国内携帯電話市場は、キャリアがメーカーを保護し、メーカーもキャリアの言うとおりに作ってさえいれば一定の収益が得られるという構造になっていました。
 だからこそ以前は、
 ・東芝(携帯電話部門を富士通に売却)
 ・三洋電機(携帯電話部門を京セラに売却)
 ・ケンウッド、パイオニア、デンソー、日本無線、三菱電機(いずれも携帯電話事業から撤退)
 ・日立、カシオ(両社とも単独運営をあきらめ、NEC主導の合弁に切替。昨年末NECに全株譲渡)
 など、多数のメーカーがひしめきあっていました。
 今よりも市場規模が小さいのにもかかわらず、です。

 近年は、iPhoneやAndroid上陸後の市場の変化や、MNP開始による携帯電話キャリア間の顧客争奪戦激化などの影響で、キャリアには国内メーカーを保護する余裕がなくなりました。そのため、国内メーカー各社は撤退するか、買収・販路開拓などで規模の拡大を目指すか、成熟化して大きな変化のない従来型携帯電話機(いわゆる「ガラケー」)に特化するか、を選ばなくてはならなくなったのです。
 現在、国内の携帯電話メーカーだと、京セラ、パナソニック、富士通、ソニー、シャープ、NECカシオくらいしか残っていません。しかも、パナソニックとNECカシオはスマホからは撤退という有様です。

 京セラは、国内はKDDI(au)とソフトバンクモバイル向けだけでも生きていけるかもしれません。しかし、NTTドコモにも供給を再開できるのであればしたい、というのが本音のはずです。
 確かにNTTドコモは、出資しているKDDIの競争相手です。当時のDDI-セルラーやIDOが打倒NTTドコモ・反PDCの旗印を鮮明にしてcdmaOneを開始した頃は、NTTドコモと決別する強い意志があったでしょう。だからこそ、cdmaOne開始前年に発売されたデータスコープ for DoCoMoがNTTドコモ向けの最後の京セラ端末になったはずです。

 しかしながら、国内市場は大きく変わりました。また、NTTドコモはKDDIの競争相手であると同時に、京セラの大きな販売先ともなり得るだけの顧客基盤を持っています。
 競争相手がほぼ国内メーカーだけであった時代は終わり、AppleやHTCなどの海外メーカーが京セラの強力な競争相手となりました。国内のライバルメーカーも、スマホから撤退したり、携帯電話事業そのものから撤退する企業も続出している状況ですし、「KDDIの競争相手だから売らない」と言っている状況ではないはずです。2012年度は、MM総研の調査では京セラは出荷台数・シェアともに落としていますし。
 ソフトバンクモバイルは主力がiPhoneとなり、出資先のKDDIも主力がiPhoneにシフトしていますので、国内市場で台数を伸ばすためにはさらに別キャリアで売る他ありません。NTTドコモで販売できれば台数もシェアも伸ばせる他、あわよくば順位をあげられる可能性があるわけです。

 あとひとつ書き忘れていたのですが、NTTドコモにしても、ソフトバンクモバイル(実際は買収前のボーダフォン日本法人およびJ-PHONE)にしても、京セラが買収した三洋電機の携帯電話機部門が製品を供給していたキャリアの一つでもあります。(当時、携わっていた人が京セラもしくは両キャリアに残っているかはわかりませんが)

 事業を取りまく状況を考慮せずに、ライバル関係が薄れてきたと言って片付けてしまうのは、ちょっと乱暴なのではないかなあ、と思っています。

# 文字数の都合や執筆に使える時間などもあると思いますし、考え方の違いもあると思います。ですので、こういったことを書いてほしいとは言いません。あくまでも、一個人としてはこのような解釈・判断をしているとお考えください。(なので「閑話休題」として、不正確な部分と、私が考えている部分とはわけました)

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