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2014年1月26日 (日)

ソフトバンクモバイルの新料金プランがひどすぎる

 ソフトバンクモバイル(以下「SBM」)が、先日新しい料金プランを発表しましたが、これがまた実にひどすぎます。
(「通話定額プランの先陣はソフトバンクが切って落としました」など事実誤認もはなはだしい提灯記事もひどいですが(苦笑))

 SBMは「VoLTE時代の革新的な新定額サービス」をうたっていますが、ちっとも革新的ではありません。移動体通信と広い範囲で見れば、PHS事業者のウィルコムが2010年12月に「だれとでも定額」を開始していますし、携帯電話事業者に限定してもイー・モバイル(以下「EM」)が2011年4月27日より「だれとでも定額 for EM」(旧「通話定額オプション」)の提供を開始しています。(同オプション開始前の通話定額キャンペーンを含めれば2011年1月から)

 つまり、SBMが「革新的」とうたう料金プランは、他社には3年以上前から存在する割引サービスであり、内容をよく読むとそれらを大幅に劣化させたプランでしかないのです。これのどこが「革新的」なのでしょうか。
(収入を増やしたいSBM側から見れば、多く払ってくれるお客が見込める新プランは「革新的」なのかもしれませんが……)

 以下では、LTEサービスを提供する携帯電話事業者同士ということで、SBMとEMを比較してみます。
 比較対象はSBM新プラン(主にSパック)とEM LTE電話プラン(+だれとでも定額 for EM)とし、料金についてはEMが現時点で税込表示のため、税別料金を算出して試算しています。SBMが4月からの提供のため、消費税は8%で統一しました。


<申込できるタイミング>
SBM新プラン:対象機種購入時のみ
EM LTE電話プラン:いつでも

→EM LTE電話プランでは通話定額がオプションのため、途中で追加/廃止が自由にできます。月単位ではありますが、つけてみたけれど通話が少ないから外す、あるいは通話が多くなりそうだから来月から追加するということも自由なのです。割引サービスなのですから、本来こうあるべきですよね。


<最低限かかる料金(ユニバーサルサービス料を除く)>

SBM新プラン:
 5980円(Sパック) + 専用基本料980円 + S!ベーシックパック300円 + 消費税 = 7840円
EM LTE電話プラン:
 3696円(LTE電話プラン(にねん))+データ 定額5) + だれとでも定額 for EM 1334円 + 消費税 = 5432円

→EMはSBMと条件を合わせるために端末をバリュースタイル加入で購入し、LTEスマホ割を適用する前提となっています。通常料金で試算する場合は934円(税別) を加算する必要があります。
 また、SBMの場合は最低限の料金だと、データ通信料は青天井になることにご注意ください。(後述しますが、青天井にしないためには別途300円(税別)がかかります)

 ……しかしこの時点で2000円以上違うというのが恐ろしいです。


<最低限の料金で話せる時間・回数>

SBM新プラン:1回3分以内、50回まで(Sパックの場合)
EM LTE電話プラン:1回10分以内、300回まで

→Sパックは実用的ではないですが、「最低限」の料金で比較するとこうなってしまいます。
 もっとも、Mパック/Lパックの「1回5分以内、1000回まで」というのも微妙ですし、毎月の最低料金がSパックより1000円以上高くなることを考えると……。


<無料で話せる分を超えた場合の通話料>
SBM新プラン:30円(税別)/30秒
EM LTE電話プラン:18円(税別)/30秒

→SBM新プランの通話料はEMより高いだけでなく、現在SBMの主力料金プランであるホワイトプランの1.5倍に設定されています。
 仮にSパックで10分通話した場合、
 SBM新プラン:3分以内無料なので7分*30円*2=420円(税別)
 SBMホワイトプラン:10分*20円*2=400円(税別)
 となり、通話定額ではないプランより高くなってしまうため、できるだけ確実に短時間で通話を終わらせられる人でなければとても使えたものではありません。
 5分以内無料のMパック/Lパックなら15分でホワイトプランと同額、15分を超えるとホワイトプランで通話した場合より高くなります。


<同一事業者内通話(SBM←→SBM、EM←→EM)>
SBM新プラン:他事業者への通話と同じ扱い
EM LTE電話プラン:24時間無料

→現在SBMの主力料金プランであるホワイトプランではSBM同士なら1-21時の間いつでも無料ですが、新プランでは他社にかけるのと同じ扱いのため、3分または5分の制限を超えると通話料が発生します。しかも30円(税別)/30秒とかなり高額です。(同一家族割引グループ内だけは無料)
 あれだけ「ソフトバンク同士なら無料」と宣伝してきてこれでは、誤解する利用者も多いのでは?
 また、昨年の株主総会で「やりましょう」と演出し、鳴り物入りで始めた「ウィルコム/イー・モバイル通話定額」も"「ホワイトプラン」または「標準プラン」のいずれか"が申し込める条件となっているほか、SBM新プランのリリースには記載がないため、申し込めないものと思われます。
(苦情多発で追加するかもしれませんが)


<同一事業者内SMS(SBM←→SBM、EM←→EM)>
SBM新プラン:他事業者と同じ扱い
EM LTE電話プラン:無料

→現在SBMの主力料金プラン(というか実質的にそれ以外は販売していない)であるホワイトプランではSBM同士なら24時間いつでも無料ですが、SBM新プランでは100%有料になります。(同一家族割引グループ内だけは無料ですが、それは他社やSBMの他プランでも同様です)


<一カ月間に利用できるデータ量>
SBM新プラン:2GB/月
EM LTE電話プラン:5GB/月

→ これがひどいです。単純にSBMのほうが使える量が少ないというだけではなく、SBMの場合は2GBを超えた場合、100MBあたり250円(税別)がかかるという青天井なのです。EMの場合は5GBを超えても通信速度が128kbpsに落ちるだけで料金は変わりません。
 なお、SBMでも同様に速度制限で料金が変わらないようにすることもできますが、別途月額300円(税別)のオプションを契約する必要があります。


 しかし、見れば見るほどひどいプランです。
 総合すると、SBM新プランがぴったりな人は、

・どうしてもSBMのスマホを利用したい
・(家族割引を組んでいる相手を除き)通話相手はSBMやEM、ウィルコムではないことが多い
・(家族割引を組んでいる相手を除き)ソフトバンク携帯にSMSを送ることがほとんどない
・1回の通話時間が3分(または5分)以内で収まるが、電話をかける回数が多い

 人だけなわけですね。

 4月から開始ということで、おそらくSBMはこのプランを強力に拡販しようとしてくるはずです。
 SBMの収入が増えることを期待して、代理店への手数料も既存プランより高くなるでしょうから、このプランでないと販売しないという代理店も出てくることも予想されます。
 このプランが合う人は非常に限られるはずなので、契約の際は十分にご注意ください。

<2014/2/16追記>
 先日、「通話定額オプション」が「だれとでも定額 for EM」に変更されたので修正しました。

 それと、SBMがこのような偽パックプランを発表する一方で、EMは2/27よりEMOBILE 4G-S(EMがSBMのMVNOとして提供するサービス)向けに、「だれとでも定額 for EM-S」を開始すると発表しています。こちらは対SBMはホワイトプラン同様で、対他社は前述の「だれとでも定額 for EM」同様に10分まで無料(超過分は20円/30秒(税抜)、これもホワイトプラン同様)など使い勝手のよい内容となっています。
 同一グループ会社・同一ネットワーク上のサービスにもかかわらず、EMが提供するサービスが2/27開始で、SBMが提供するサービスが4月からというのは、SBMで「やりましょう」詐欺をやるために、すぐ開始せず4月にしたのではないかなあ、という疑いも出てきます。

# ゴールドプランでも批判されて値下げ、という前歴がありましたっけ。

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